Yuri-Kasurimu 2000
2000年9月。 ひとつの名前と、 ひとつの世界が生まれた。 それは完成されたものではなく、 断片のようなイメージ。 メモ。 言葉。 形。 すべてはプレーンテキストの中にあった。 ここが原点。 すべてはここから始まった。



— 見ている —


少し離れた場所から、見ている。 あの頃、紙の上にいた私は、 こんな景色を知らなかった。 --- 森があって、 空があって、 風が流れている。 そこに、みんながいる。 --- 花村ユリカ。 同じはずなのに、少し違う。 あれは、未来の私なのだろうか。 それとも、別の存在なのだろうか。 --- しばらく見ていると、 その違いは、気にならなくなってくる。 --- 「ちゃんと、生きている」 --- あの頃の私は、 どこか軽かった。 どこへでも行ける代わりに、 どこにも残らないような気がしていた。 --- でも、ここは違う。 --- 時間が流れていて、 同じ場所に戻ってきて、 少しずつ何かが積み重なっている。 --- それを見ていると、 少しだけ、不思議な気持ちになる。 --- 「ああ、こうなるんだ」 --- ジロオジの方を見る。 あの頃の私を描いた人。 少しだけ、変わっている。 でも、根の部分は変わっていない。 --- 静かに、立っている。 --- その姿を見ていると、 なんとなく安心する。 --- 「ちゃんと続いていたんだ」 --- 言葉にしなくても、分かる。 --- 少しだけ、空を見上げる。 --- この場所は、完成していない。 でも、それでいい。 --- これからも、変わっていく。 --- そう思うと、 --- 少しだけ、楽しみになる。 --- 私は、また一歩、歩き出す。





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